Topic産後のマイナートラブル
産後ケアとは、分娩後、妊娠や分娩によって変化したからだが妊娠前の状態に戻るまでの期間、あるいは、分娩後のホルモンバランスの変化に伴い精神的に不安定な期間、母親になった女性の心身を癒し、親子の愛着形成と、親としての自立を促し、社会復帰への支援を行う、産後の女性を包括的に支援する実践をいう(一般社団法人産前産後ケア推進協会)とあります。
産後は、身体的・精神的なサポートが必要な時期となりますが、実際の生活場面ではいかがでしょうか?
そもそも産後とはいつまでのことを指すと思いますか?
一般的には、産褥期という出産後の妊娠前の状態にもどるまでの期間(おおよそ6週~8週間)を言います。もちろん、人によっても、出産方法によっても異なります。
しかし、妊娠・出産によって生まれたかだの変化は、この産褥期だけでなく「産後はいつまで経っても産後」と言われるように、出産を契機にからだに起こる変化は否めません。
産後ケアといっても様々なケアがありますが、妊娠・出産に伴う身体症状(マイナートラブル)について理学療法士の関われる領域があります。
妊娠・出産に伴ってからだの変化が生じます。妊娠中の約10ヶ月という短期間で体形や姿勢が大きく変化しますが、多くの方が出産すれば元のからだに戻れると思っているのではないでしょうか。しかし、短期間で劇的に変化したからだは大きなダメージを負っているんです。
産後多い身体的な訴えは、妊娠中の体形や姿勢の変化によって生まれた肩こり、腰痛・骨盤帯痛、尿もれ、脚の痛みなどと言われています。また産後の抱っこ姿勢や家事動作によるからだのトラブルも多くあります。
昨年4月から「理学療法士の日」を設け産後ママさんのからだ相談を行ってきましたが、長和町でも同様の相談が寄せられました。
相談されない方の中には「産後だからあたり前」と思い、自分の中で消化してしまっているママさんも多いのではないかと思います。
産後は妊娠中の姿勢の影響を受けやすく、首まわり、胸まわり、お腹まわり、腰まわり、骨盤底への過剰な負担から身体的トラブルに至る要因があると言われています。産後は身体的回復がままならない状態で家事・育児動作等の日常生活動作を営むことにより、新たに手首の痛み(腱鞘炎)や首や肩の慢性的な痛みなどのトラブルを生じる方もいらっしゃいます。このような症状は日常の姿勢や動作方法によって改善されることも多くあります。
からだは一生ものです。歳を重ね更年期・老年期へ向かう中で、「産後は当たり前」ではなく、産後はご自身のからだと向きあう時間も大切です。
※最後までお読みいただきありがとうございます。内容については、誤解が生じないよう学術的背景等をもとに細心の注意を払っていますが、すべての方に対して、情報の正確性、完全性、有用性について保証するものではありません。可能な限り有益な情報を配信できるよう努めておりますこと、ご理解くださいますようお願いいたします。
〜けんさんから一言〜
はじめまして(^∇^)/この度"Amulette(アミュレット)"を発刊することとなりました。
Amuletteとは、フランス語で「お守り」という意味です。みなさんのちょっとした手助けとなるような話題をお届けしていきたいと思います。topicとして産後の身体的な変化やリカバリー方法、お子さんの靴選び、抱っこの仕方、尿もれや骨盤底トレーニング、負担の少ない生活動作などについての情報をお届けしていく予定です。もし「こんな情報が欲しい」なんてことがありましたら遠慮なく言ってください♪それでは、来月も楽しみにしていてくださいね。
★この記事を書いた人★
国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)
ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます
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