Amulette_Vol9

Topic「PLO」知ってますか

「妊娠授乳関連骨粗鬆症 (PLO)」って聞いたことはありますか?
耳慣れない言葉ですが、近年話題として取り上げられることが多くなっています.
骨粗鬆症と聞くと高齢者をイメージしますが、若年層でも起こりうる病気です.
病気でありますので、怖い・不安などあると思いますが、知っていることで対処できることもあります.
PLOは、妊娠後期 (分娩直前)から産後授乳中 (おおくは産後6ヶ月後くらいまで)に、突然背骨に多発の圧迫骨折を起こして発見される病気です.
今回は、PLOについてお伝えします.

なぜ発症してしまうのか? については原因ははっきりしておらず、諸説あるようですが、妊娠前からの骨量減少が関連している可能性は高いようです。
例えば、母親のカルシウム摂取不足や運動不足などによる影響があるのではないかとされています.
また、初産婦に多い傾向があり、2回目以降の妊娠・出産では割合が低くなっているようですが、まだ原因ははっきりしていないというのが現状のようです.
さて、気になるのがどのような症状になるのか? と言った点です.
背中の圧迫骨折ですので、 特徴的なのが寝返りや起き上がり動作時の背中から腰にかけての痛み、咳やくしゃみなどに伴い増強する痛みなどです. 痛みの強い時は、寝返りすら困難となり、子育てどころではなく自分の身の回りことができないくらいつらい痛みを抱えることがあります。

右図は、PLO危険度リスク確認のためのチェックです.
20点以上の方はPLOに気をつけ生活を見直す機会を設けましょう.

今回は、産後の病気について取り上げました.
産後腰痛や骨盤帯痛に悩まされる方も多くいますが、PLOはこれらとは性質が異なります. まだはっきりしたことがわからないこともありますので、啓発用のホームページ を記します.
お時間のある時に目をとおしてみてください.
「妊娠授乳と骨粗しょう症ホームページ」 です。皆さんご存じの「コウノドリ」でもPLOについて触れられていました.

※最後までお読みいただきありがとうございます。内容については、誤解が生じないよう学術的背景等をもとに細心の注意を払っていますが、すべての方に対して、情報の正確性、完全性、有用性について保証するものではありません。可能な限り有益な情報を配信できるよう努めておりますこと、ご理解くださいますようお願いいたします。

〜けんさんから一言〜

今回は、病気について取り上げさせていただきました. 病気となると不安に思われる方もいると思いますが、知っていることで治療に結びつくこともあります. 若年者の骨粗鬆症は決して多いわけではないので、見逃されるケースもあるかもしれません. 上記のホームページには、PLOに関連した骨のこと、治療のこと、リハビリのことなど、掲載されています.この中に「お願いカード」 がダウンロードできるようになっています. この用紙を印刷して受診することで、状況を伝えることができます. ぜひ参考にしてみてください.
それでは、次号も楽しみにしていてくださいね。


★この記事を書いた人★

国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)

ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます

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