Amulette_Vol6

Topic胸ひらき

皆さんは、日常の何気ない姿勢を意識することはありますか?姿勢の中で多くの方が気にするのが背中胸椎)の丸まりです。
猫背巻き肩・円背などでイメージがつくと思います。胸椎は、生理的な後弯(背中を丸くするつくり)があるのが普通ですが、日常生活の偏った姿勢により、呼吸が浅くなったり、ぽっこりお腹や尿もれの要因になったりすることがあります。
産後の授乳やお子さんとのふれあいの時間、休息のひと時などの姿勢はどのような姿勢になっていますか?
今回は、背中の丸まりをリセットする“胸ひらき”についてお伝えします。

モデルさんの紹介
森田瑞紀ママ
音乃彩ちゃん(1歳)

左図 : 標準的な良い姿勢 / 右図 : 不良姿勢

産後に関わらず、右側の姿勢の方は少なくありません。
産後、体重は戻っても体型が戻らない、妊娠前のズボンが履けないなどありませんか?
右図のように、背中が丸まることでぽっこりお腹になりやすくなります。また、この姿勢はお腹まわりの筋肉がさぼりがちとなることで、体幹を支える筋力も低下します。
このような姿勢は、立位姿勢だけでなく、座っている姿勢でも多くみられます。
対策の一つとして“胸ひらき”のストレッチを行ってみましょう。

《上写真》

・背中にタオルを丸めて入れます
・両ひざ立ての姿勢で軽く手をバンザイします
・このまま1〜2分ゆっくり呼吸をしましょう
・前後で胸のひらき具合いを確認してみましょう

《下写真》

・横向きになります
・上側の手を胸を開くように広げます
・目線は指を追うようにしましょう
・胸を開いたところで大きく呼吸を2~3回しましょう
・左右行ってみましょう

お子さんとのふれあいの中で良くある光景ですね。このような場面でも背中にクッションを入れるなど、ちょっとしたひと工夫で、からだへの負担を減らすきっかけになりますよ。
授乳時も同様です。

私たちのからだは、構造として力学的に頭・体幹・骨盤・手足が、お互いの関係を保ちながら整列し、効率的に動作を行うことができるようになっています。このような姿勢から逸脱することは、からだに負担をかけることとなります。
正しい姿勢をとり続けることは大変難しいことですが、良い姿勢そしてリセット方法を知ることで、負担を減らすことになりますので、忙しい子育ての中ではありますが、すき間時間の中で取り入れてみましょう。

※最後までお読みいただきありがとうございます。内容については、誤解が生じないよう学術的背景等をもとに細心の注意を払っていますが、すべての方に対して、情報の正確性、完全性、有用性について保証するものではありません。可能な限り有益な情報を配信できるよう努めておりますこと、ご理解くださいますようお願いいたします。

〜けんさんから一言〜

胸を意識的に広げることは、私の予防活動の中で、性別や年齢に関係なく意識してお伝えしている内容です。特に高齢になるにつれ、重力に抗うことが難しくなります。胸をひらく姿勢を意識することは、結果的に歩く姿勢にも影響しますし、皆さんが無意識に休むことなく行っている呼吸にも大きく影響します。他にも尿もれの原因として姿勢・呼吸・お腹まわりの筋力が影響します。尿もれって骨盤底筋の問題だけではないんですね。
姿勢は私たちの毎日に影響を及ぼしています。床やベッドに横になった際に行ってみてください。
それでは、次号も楽しみにしていてくださいね。


★この記事を書いた人★

国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)

ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます

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