Amulette_Vol12

Topic反り腰と腰痛

「腰が痛くて」とのお悩み多いですね.
そのような方とお話をすると「姿勢が悪いって良く言われます」「私、反り腰なんです」との言葉を良く聞きます.でも、それって本当に反り腰なのか・・・
今回は、ご自身の姿勢や生活習慣を振り返っていただき、それって本当に「反り腰?」なのかどうかを知ってほしいと思います.
内容は、過去の投稿(vol.3.6.7)と重複している点もありますので、あわせてご覧いただきたいと思います.

腰痛は、妊娠中ならびに産後に最も多い痛みの一つと言われています.産後に多い腰痛の特徴としては、子育てに伴う習慣的なものが多くあります.お子さんの成長とともに生じる体重の増加による腰部への負担があり、育児期特有と言えるかもしれません。例えば、授乳姿勢、お子さまの抱っこや抱え上げ、オムツ交換などの前かがみ姿勢などは日常の育児では頻繁に行われ、腰部への負担を引き起こしやすい動作と言えると思います.また、お腹まわりの筋力が上手く使えていなこともあります.

それでは、腰痛と反り腰の関係についてお伝えします.
本当に反り腰なのかどうかをチェックしましょう.
□ 仰向けで寝たときに、腰に手が容易に入る
□ 壁に頭・背中・お尻・踵をつけて立ったときに、腰に手が容易に入る
概ねこの2つに該当すると反り腰の可能性はあります.
しかし、産後の姿勢で多い姿勢は見かけ上の反り腰の方が圧倒的に多いと思います.

原因は様々ですが、腹筋の上側は使えるけれど下側が使えていないこと、またそのような姿勢をとる機会が多いことがあります。下腹のぽっこりお腹の原因とも言えます.
このようになる姿勢はスウェイバック(後弯平坦姿勢)と言って、背中が丸く巻き肩・骨盤が前方位となり結果的にお腹が前に突き出したようになります.その姿勢はあたかも反り腰のように見えるのです.
日常生活の中で、背中を丸めるような姿勢が多かったり、太ももの裏側の筋肉が硬くなっていたりすることで生じやすくなります.産後の生活だけでなく学童期のお子さんから高齢者にも見受けられる姿勢です.
上半身に対して下半身が前に反り出すようになるため、上半身の重みを腰が受けることで腰痛が生じることもあります.日常生活の姿勢や動作の他にも、弱くなった筋力を使いやすくしてあげるだけでも腰痛軽減や他のトラブルを回避することにも繋がります.
絵に描いたような良い姿勢を保ち続けることは大変難しいことですが、ご自身のからだの癖を知っておくことはトラブルの回避にもなるでしょう.

※最後までお読みいただきありがとうございます。内容については、誤解が生じないよう学術的背景等をもとに細心の注意を払っていますが、すべての方に対して、情報の正確性、完全性、有用性について保証するものではありません。可能な限り有益な情報を配信できるよう努めておりますこと、ご理解くださいますようお願いいたします。

〜けんさんから一言〜

今月号でAmulette発行から1年となりました.
お伝えしたいことがたくさんあるのですが皆さんのほしい情報がお届けできていますでしょうか?
少しでも皆さんにとって有益な情報がお届けできればと思っています. 「こんな情報が欲しい」ということがありましたら、ぜひ教えてくださいね。
今後は、私の専門分野でもある骨盤底筋機能や呼吸, 姿勢, 動作についての情報をお届けできればと思っています.
それでは、次号も楽しみにしていてくださいね。


★この記事を書いた人★

国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)

ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます

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