Amulette_Vol7

Topic抱っこ紐 装着のポイント

今回は「抱っこ紐」についてお届けします。
ママさんだけでなくパパさんも使用する抱っこ紐ですが、意外と上手な使用ができていない方を多く見かけます。お子さまを抱っこして手が空くことで自由度は上がりますが、実は抱っこ紐の装着次第で、からだの不調を助長するだけでなく、お子さんに対しては居心地の悪い環境を作ってしまうことがあります。
ママさんの使用していた抱っこ紐をそのままパパさんが使用することもあると思いますし、その逆もあると思います。都度、調整することが面倒とは思いますが、ご自身のためお子さんのために一度確認してみましょう。

モデルさんの紹介
清水真弓ママ
莉子ちゃん(9ヶ月)

抱っこ紐を使用するメリットとして、手が自由になる、そして手や腕にかかる負担が減ることがあげられます。そして、抱っこ紐の役割は、● 移動手段の一つ  ● 寝かしつけ  ● スキンシップ  ● 安全の確保  ● 様々な感覚の経験  ● 社会との接点や探索などと言われています。子育てには欠かせないアイテムと言えますね。
さて、今では抱っこ紐と言っても多種多様なものがあり、子育ての楽しみの一つとして考える方も多いと思いますが、それぞれにメリット・デメリットがあり、お子さんの月齢や目的に合わせて選択することが大切です。ここでは、抱っこ紐H型タイプ エルゴベビー(背中でバックルを止める形)を紹介します。

■ 抱っこ紐装着のポイント

● お子さんのおでこにキスができる高さ
→ お子さんが低いと言い心地が悪く、ママさんも反り腰になりやすい

● お子さんのお尻は、ママのおへそより上
→ 安定しやすく、ママさんの負担も軽減

● ウエストベルトは、骨盤ではなくウエストの細い場所で巻く
→ 腰の高さだと前かがみの際の転落リスクが高まりやすい

● なるべくからだに密着させる(お辞儀をしたときに離れていかない程度)
→ 気道確保のためにも適度な密着を(お子さんの顔が見える程度)

● チェストベルトは肩甲骨の幅が目安
→ 体型や姿勢にも異なりますが、チェストベルト緩い方結構多いです

● お子さんの股関節はM字ポジション
→ 股関節の発達を妨げないようになど

今回は、一例を取り上げましたが、まずはお手元にある抱っこ紐の取扱説明書を必ず確認してみてください。説明書をみないで使用されている方もいらっしゃいます。ご使用の抱っこ紐メーカーのホームページ等で動画説明されているものもありますので、一度確認してみることがよいでしょう。

※ 右のQRコードは、抱っこ紐からも転落事故についてのチェックポイントが記されていますので、ご参照ください。

※最後までお読みいただきありがとうございます。内容については、誤解が生じないよう学術的背景等をもとに細心の注意を払っていますが、すべての方に対して、情報の正確性、完全性、有用性について保証するものではありません。可能な限り有益な情報を配信できるよう努めておりますこと、ご理解くださいますようお願いいたします。

〜けんさんから一言〜

抱っこ紐もたくさん種類がありますね。それぞれにメリット・デメリットがありますので、お子さんの成長に合わせて選択し使用することが必要です。お示ししたように装着方法でママさんのからだに対する負担も変わります。また、どんな上手に抱っこが行えていても、長時間の抱っこは、お子さんにもママさんにも負担をかけることになります。布団やバウンサー、ベビーカーなど併用しながらが良いですね。パパさんの抱っこ紐装着時は、胸回りが広く、おなか周りも大きいため、ポイントを意識して装着しましょう。ママさんとパパさんとでは、バンド・ベルトの長さは異なります!それでは、次号も楽しみにしていてくださいね。


★この記事を書いた人★

国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)

ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます

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