Amulette_Vol5

Topic産後のからだの変化(影響)

妊娠・出産という短い間に女性のからだは大きな変化を遂げます。
出産後は、からだが元の状態に戻るまでの産褥期(おおよそ6〜8週間) という期間を経て徐々に回復に努めていきます。
しかし、 産褥期を過ぎたからといって妊娠前のからだに戻れる方は稀ではないでしょうか。
多くの場合、産後ケアとして母親の検診は1ヶ月検診で終了するため、 産褥期を過ぎたあとのサポートはなく、 個人による情報収集やケアなどで不安な時間を過ごすことが多いと思います。
今回は、産後のからだの変化 (影響) についてお届けします。

●ホルモンの影響

妊娠中は出産に備え女性ホルモンは増え、出産直後には急激に減少しホルモンバランスが崩れる状態となります。イライラ感、不眠、肌荒れなどはこれらの影響の一つとして考えられます。また授乳している方と非授乳の方では排卵の準備などの点でホルモンの分泌も異なります。

●からだの変化への影響

*乳房
妊娠中少しずつ乳房の重さが増し、産後はホルモンの影響により乳房の重さは急激に増加します。
授乳を続ける(1日7~8回約1ヶ月間)ことで普段の乳房の張り感に変化が生まれてきます。

*子宮会陰等
妊娠に伴い子宮は多くなり、出産後は回復過程とともに収縮、縮小していきます。
経膣分娩では会陰部は大きく伸張され骨盤底筋群の働きに影響を及ぼし尿もれなどの要因になります。

●その他

*体重
妊娠前の体重に戻るには、出産後約3ヶ月程度かかることが多くあります。
母乳育児の方は体重の減少率は大きくなります。
あくまでも体重(からだの重さ)であって、からだの機能については時間を要します。

*精神面の変化
出産後はホルモンの影響やからだの変化、そして育児への不安などが要因となり、気持ちの落ち込みが現
れやすくなります。

以上のように、妊娠出産そして産後と女性のからだは大きく変化します。産後ケアが少しずつ充実してきていますが、産後間もない時期でのサポートは限られているのが現状です。
最近では男性の育児休暇取得も少しずつ得られ始めています。パートナーである男性が女性のからだの変化を知りサポートすることは、産後ケアサポートの一つの手段となりますね。

※最後までお読みいただきありがとうございます。内容については、誤解が生じないよう学術的背景等をもとに細心の注意を払っていますが、すべての方に対して、情報の正確性、完全性、有用性について保証するものではありません。可能な限り有益な情報を配信できるよう努めておりますこと、ご理解くださいますようお願いいたします。

〜けんさんから一言〜

性別や世代関係なく、日常の生活動作や活動仕事に加え、運動時間を確保し継続することは大変なことだと思います。たとえ5分でもご自身のための「自分時間」をつくることができるかということが重要になると思います。
体力や筋力に心配を感じる方は、是非「理学療法士の日」にご相談ください。握力測定や簡易的な筋力チェック、そして、からだの使い方などお伝えします。
次号も楽しみにしていてくださいね。


★この記事を書いた人★

国保依田窪病院 理学療法士 山﨑 健一(けんさん)

ウィメンズヘルス・メンズヘルスの専門分野を学んでいます

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